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JORA BLOG

テティス4パラオ脱出記(後編)

こんにちは。2019年末から2020年初にかけて横浜港からパラオ共和国への第1回日本-パラオ親善ヨットレースで見事総合優勝を飾られたテティス4のオーナーでJORA理事の児玉氏からレポートの後編です。なんとかパラオを脱出後、次の難関は日本入国のための手続きでした。コロナウイルスの世界的な感染拡大で予測が立たない中、無事帰国された状況をお楽しみください。

前編はこちら→「テティス4パラオ脱出記(前編)

文:テティス4 児玉萬平氏

航海日誌表紙

航海日誌表紙

一方、日本への帰国も課題が山積、フィリピン、香港に向かう準備を変更して日本国内への入国書類や手続きを大慌てで進めた。併せてコロナによる入国制限や2週間の足止めの有無も話題に上っていて、その確認に追われた。

そうでなくても海外から日本国内に入るときは・・                                                                     

・入国管理局:乗員リスト、資格変更届、入出港届、入港通報

・税関:乗員リスト、資格変更届、入出港届、乗員携行品申告書、船用品申告書

・海上保安庁:乗員リスト、保安情報(1~4)

・検疫署:乗員リスト、出入港届、無線検疫申告書、無線検疫送達書、明告書

・石垣市港湾課:入出港届、岸壁使用願い

など少なくとも24枚の書類を用意しないといけない。

加えて、艇に備えておくものとしては国籍証明、船検証、操縦士免許、パスポートも必要だ。

上記の書類のほとんどは事前にそれぞれの役所にFAXで送っておくことになるが、一番大変なのは無線検疫送達書だ。これは入港予定時刻36時間前にFAXで送達することになるのだが、本船ならともかく、ヨットで時間きっかりに入港しろというのは土台無理な要求だ。そこで衛星携帯電話で陸上の連絡担当者と随時すり合わせ入港予定時刻のアップデートをしていき、まあまあ行けそうだと思ったときに連絡担当者から予め用意してあったFAX原稿を流してもらう。今回はなぜか、申告した入港予定時刻3月11日午前9時に寸分たがわず到着することができた。

航海中のチャートテーブルまわり

航海中のチャートテーブルまわり

石垣港入港と同時に、保安庁、税関合わせて6人程が乗り込んできた。こちらはコロナでどのような扱いを受けるか相当身構えていたが・・入国管理官も検疫官も現れない。一方で乗り組んできた保安庁職員の関心の的は麻薬、艇内くまなくチェックが入る。そうか、ここは中国・台湾からの覚せい剤密輸の拠点なのだと納得。石垣港はまた尖閣列島防衛のための大型巡視船の基地になっている。これだけの巡視船が交代で尖閣の海に出かけているのか、と頭が下がる。

何時まで経っても入国管理官も検疫官も来ないので電話をすると、事務所まで来いとのこと、クルー全員で出かけていって入管でパスポートの照合を受ける。検疫署の方は一枚の書類を用意してあって署名しろという。エボラ出血熱の感染は無いという宣誓書だった。

エボラかよ・・コロナでないんだ、と拍子抜け。

その後のニュースで石垣島には感染症専門のベッドが4床しかない、そのうち県外者が3床を占有し、島民向けには1床しか残っていない、県外者は入島するな!という悲痛な呼びかけが始まったと聞く。あの時はそんな雰囲気では全くなかった。そうでなかったら我々は白い目で見られていたろうと思う。

JORAオフィシャルサポーターの石垣屋さんで打ち上げ

JORAオフィシャルサポーターの石垣屋さんで打ち上げ

その後、「テティス4」は宜野湾で上架、キールの修理を行い、沖縄‐東海レースもキャンセルになったため、沖縄の自粛要請が終わった5月の最終週に宜野湾~小網代の最終行程を航しり、全ての自粛要請が解除された翌日6月1日に小網代に帰って来た。

 

今日現在、ともにレースを戦った僚艇のうち「ラッキーレディ」と「鴎翔」はフィリピンのスービックで留守番クルーとともに足止めを食っている。我々のすぐ後に沖縄に回航すると言っていた「トレッキー」と「アルタイル」は、パラオへの航空便が再開されるまでパラオの泊地のブイにつながれたままになっている。

「テティス4」はかろうじてシャッターが閉まる前にパラオを脱出、無事小網代に帰還を果たしたのだ。

テティス4航海日誌

テティス4航海日誌

テティス4が総合優勝を飾った「日本-パラオ親善ヨットレース参戦記

テティス4パラオ脱出記(前編)

こんにちは。2019年末から2020年初にかけて横浜港からパラオ共和国への第1回日本-パラオ親善ヨットレースで見事総合優勝を飾られたテティス4のオーナーでJORA理事の児玉氏からレポートが届きました。突然のコロナ禍に揺れた国際情勢の中で予定されていたチャイナシーレースも延期になり、予定を大幅に変更しなければならない中、いかにしてパラオから脱出されたのか。白熱の脱出記お楽しみください。

前回のレポートはこちら→「日本-パラオ親善ヨットレース参戦記

文:テティス4 児玉萬平氏

テティス4の回航メンバー

テティス4の回航メンバー

本年1月15日“パラオレース”表彰式が終わって各レース艇の艇長と話し合った。「これから何処に行く?何日に出航する?」

「ラッキーレディ」と「鴎翔(かもめとぶ)」はさらに南下し、ヘレン環礁を経てインドネシアへ向かうため、数日後にはパラオを出航するという。「トレッキー」と「アルタイル」は沖縄‐東海レース参加のため沖縄・宜野湾に向かう予定だが回航要員の手配があって3月半ばに出航予定だという。

「テティス4」はレースメンバー全員が一旦帰国、回航組は改めてパラオに向かうことにし、4月のチャイナシーレースに向け、曲げてしまったブームの交換、サンゴ礁にヒットさせたキールの修理、セールのリペアを香港で行うために2月末には出航したいと考えていた。

1月16日、成田に優勝盾と、航海計器(ほぼ全てが壊れた)を持って降り立ったその時、まさにコロナ騒ぎの幕が上がっていた。刻々と入国禁止国の情報が入ってきた、パラオのお隣のマリアナ、グアムは早々とクローズ、経由地としていたフィリッピンのセブでも死者が出ていた。パラオに行くには日本からの直行便は無く、グアム経由を除くと仁川か上海を経由する、何れもその時コロナ発生が顕著になっていた場所だった。

パラオは不法滞在を防ぐためか帰国の航空券を持っていないと入国させないルールがあり、我々のように航空機で行ってヨットで出国する場合には、大統領が署名する特例扱いの書類を持参する必要がある。ところがこれがコロナの影響なのかなかなか発行してもらえない。入国禁止国の数が増え続け気がせくなか、無駄になっても帰りの航空券を購入しようとする段になって、やっと大統領のサインが入った特例書類が届き、ようやく出発日の2月29日を迎えた。

その間、中国本土の感染拡大を受けてロイヤル香港YCから本年のチャイナシーレースの延期がアナウンスされ、それなら我々も沖縄‐東海レースに切り替えることにして、回航目的地を沖縄とし、石垣・宮古を経由していくことにした。交換ブームの仕向け地の変更、上架整備計画の変更、回航中に寄港する予定だった海外ヨットクラブへのお断りなど、大慌てで連絡を取りまくった。

成田空港ビルはガラガラ、我々以外には数人しかいない。乗り換えは仁川、こちらも全く人がいない。飛行機もガラガラで席を連ねてベッドにする。拍子抜けするくらいだが安心もした。

パラオの空港では乗客全員のおでこに体温センサーを接触(!)させて検温、こちらの方がよほど危険な感じがしたが、空港を出るとマスク姿は誰もいない。至って平穏・・早朝のハーバーに着くと夜勤のガードマンはテーブルの上でおカミさんと一緒に就寝中、いっぺんにパラオモードに切り替わった。

それから出航までの間は、全交換した航海計器の取り付け、セールの応急修理、食料・飲料の買い出しとよくある回航準備風景だったが、いつ出国制限がかかるか冷や冷やしながら3月3日を迎えた。お世話になったハーバーやツアー会社のスタッフに見送られて舫を解いたときは妙にホッとしたことを覚えている。聞けばその後一週間ほどしてパラオ発着の航空便は全便運航停止になったという。(間に合った!)

パラオ~石垣島回航9日間のうち8日間は、これぞトロピカルセーリング・・というべき最高のコンディション。風向もリーチングからクォータリーで、最高でも15㏏止まり、パラオレースの最中は20-30㏏、常にスプレーを浴び続けていたことと比べるとまさに天国。

昼の気温は29℃、ワッチ交代ごとに冷えたパラオ産のビール(ご丁寧に黒、白、ハーフの3種類がある)を空け続け、たまに来るスコールを待って裸になって水浴びをする。それが過ぎれば夕暮れのドリンクタイム。製氷機をフルに働かせて作った氷でグレンフィディックのオンザロック・・・至福の時間!

夜は船尾に南十字星、船首に北極星が同時に掛かっていて、前後の星を見上げながら・・この夜はワイルドターキーだった。

北緯10度の夕暮れ

北緯10度の夕暮れ

スコール来襲!

スコール来襲!

後編に続く

新規ヨット関連団体ご協賛のお知らせ【有限会社コンパスコース】

皆さん、こんにちは。広報担当の堀内です。

この度、JORAのサポーター企業として有限会社コンパスコース様に新たに加わっていただきました。

コンパスコース様は、プロセーラーの西村一広代表によるセーリング・コーチ、セーリングコンサルタント。ヨット、およびボートの輸入、販売や、体験型海洋教育の企画・運営・事業受託を行なっておられるヨット関連企業です。

特に西村代表には、JORA発足当初よりセーリング・コーチ、セーリング・コンサルタントとしてご協力をいただいております。2017年にはLes Sables – Horta – Les Sablesの復路にコスキッパーとして参加され、今年2020年にはモナコで行われたL30のPRIMO CUP遠征ロリアンClass40合宿にセーリングコーチとして帯同いただきました。

ご協賛いただきありがとうございます。

有限会社コンパスコース

有限会社コンパスコース

URL:https://compasscourse.jp

JORAはサポート企業・団体の皆様からの支援を受け
各クラスのレース参戦をサポートします。

JORA レースへの取り組み 

サポート・運営についてのお問い合わせは、
下記のお問い合わせにお送りください。

お問い合わせはこちら

お問い合わせはフォームもしくはメールでのみお受けしております。
海外キャンペーン期間中など、返信にお時間を頂くことがございますのでご了承ください。

JORA サポーターのお願いJORAではサポートしてくださる企業・団体の皆様を募集しています。
詳しくは「サポートのお願い」よりご案内しております。

JORA プチサポーター募集JORAの活動を応援してくださるPetit Supporter(プチサポーター)の皆様も募集しています。
詳しくは「Petitサポーター募集」よりご覧ください。

新しいオフィシャルサポーターのお知らせ【株式会社浜田様】

皆さん、こんにちは。広報担当の堀内です。
第3期を迎えるJORAはオフィシャルサポーターとプチサポーターの皆様に支えられて国内外の活動を行っています。

この度2020年7月から新しいオフィシャルサポーターが加わっていただきました。

大阪府で環境ソリューション企業を営んでおられる【株式会社浜田】様です。
株式会社浜田は人と都市と自然の共存をテーマに、あらゆる環境ソリューションに関する答えを持つ企業です。環境に関するあらゆるお問い合わせにご対応されています。

JORAの活動にご理解を賜りご協賛を頂くことになりました。
ご協賛いただきありがとうございます。

株式会社浜田

株式会社浜田

URL:https://kkhamada.com

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JORA虎の穴レポート(mini6.5編)【高頭正史】

皆さん、こんにちは。
国内で活動されているJORA関東練習生チームの高頭さんから先日行われたmini6.5での練習レポートが届きました。
新型コロナウイルス感染症拡大による自粛期間があり、約半年間の活動停滞期間を余儀なくされましたが、今回は北田代表も参加して良いトレーニングができたようです。JORA虎の穴レポートお楽しみください。
 
文:高頭 正史氏
高頭氏

高頭正史氏

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が5月末に解除となり、世の中が動き始めた6月某日。昨年末のシーズンオフからそのまま自粛期間に突入し、約半年間の停滞を余儀なくされた我々JORA関東練習生チームも活動を再開しました。我々は、東京湾最奥の浦安マリーナをベースに、JORA北田代表所有の貴帆mini(Pogo2/Mini6.5)で、普段は練習生同士で活動しています。今回の「虎の穴」は、今年の欧州のレーススケジュールがコロナの影響で白紙となり、国内待機を余儀なくされた北田代表が、その鬱憤を晴らしながらも練習生の習熟度を確認してみよう、という趣旨で企画されました。

欧州を舞台に、並み居るプロセイラ―を相手に厳しい戦いを重ねてきた、生けるレジェンドから直接稽古をつけてもらえる貴重な機会とあって、気合十分で浦安マリーナに向かいますが、空模様は朝から生憎の雨。ハーバー到着までに雨は上がったものの、頭上には鬱陶しい梅雨空が広がり、クラブハウス内の東京湾海上の予報によれば本日の風は南東の微風~軽風。「練習生に強風のジェネカーランを経験させたい!」と意気込んで臨んだ北田代表も、若干肩透かしを食わされた格好です。しかし、半年ぶりの出航となる我々練習生にとっては、結果的にベストのコンディションとなりました。

9時40分ドックアウト。頼りなげな南東風の中を捉えつつ、本船をかわしながら、クローズホールドでタックを繰り返して、ジェネカーランのための高さを稼ぎます。

mini6.5の下架。約半年ぶりの活動

mini6.5の下架。約半年ぶりの活動

ジブを上げて高さを稼ぎに行きます。

ジブを上げて高さを稼ぎに行きます。

「この風ならどんな失敗しても船が壊れることはない。思い切ってやって!」とは出航時の代表の言。今日は口も手も出さず、オブザーバーに徹するようです。確かにこの風域であれば、たいていの失敗はリカバリーがききます。普段から「壊したら皆で直せばいい。」と言ってくれている代表ですが、やはりオーナー不在で練習生のみで出航するときとは、気持ちの持ちようが違います。船を壊さないように、大切に乗ることは大前提ですが、船を壊すことを恐れてチャレンジしないのであれば、オーナーがこの艇を練習生に提供している意味がなくなります。自分の技量を見極めつつ、積極的にチャレンジするという当たり前の姿勢を再確認できました。代表の言葉に甘え、いつもより少しだけ思い切って操船することを密かに誓います。

現在はClass40を主戦場とする北田代表ですが、元々ショートハンドの入り口は、この貴帆miniです。この船については隅から隅まで知っています。普段の練習時に気になっていた細かな疑問点について質問すると、具体的かつ実践的な助言を返してくれます。今まで練習生同士の練習では暗中模索の部分も多かったのですが、疑問点が解決すると、色々なところが繋がって、船に対する理解が深まりました。

さらに、一つ一つのクルーアクションについても都度的確な評価が飛んできます。タックが決まった時に代表から「Good!」という声がかかると、それだけでテンションが上がります。ジェネカーランで爆走する、というこの日の目論見は外れましたが、ショートハンド外洋レースの第一人者の見守る中、余裕を持ったコンディションで一つ一つの動作を確認する、というそれはそれで非常に贅沢な時間となりました。

「mini6.5はディンギーみたいなものだから。」と代表は常日頃から言います。そりゃ、Class40で大西洋横断レースしている人にしてみたら、mini6.5なんて本当にディンギーみたいな感覚なんだろうな、と漠然と考えていたのですが、その言葉の真意が、今回少しわかった気がします。

薄く固く軽いハル。大きなセイルエリア。素直なヘルム。この風域であれば最後の一引き以外にはウインチを必要としないシンプルかつ必要十分な艤装。目の届く範囲にすべてがあるのでトラブルの芽が発見しやすく、コックピット内から一歩で各コントロールロープに手が届くので、何かあっても即対処可能。ベイビーステイや3ポイントリーフまで備える本格的な外洋仕様のキールボートでありながら、船のコントロールは自らの手の中にちゃんとある、という感覚。この感覚が「ディンギーみたいなもの」という表現につながるのでしょう。この船で舵を握っていると、自然と、このまま遠くに行きたいな、とか、この船で大島レースに出たら面白いだろうな、とか、そういう気持ちになります。フランスで外洋レースの登竜門としてこのmini6.5クラスが定着しているのも頷けます。フランスの若手外洋セイラ―達は皆、この船と戯れながら、たくさんの小さな失敗と、その対処法を積み重ねることで経験値を上げ、ショートハンドで外洋レースを戦う方法を学んでいくのでしょう。国内でこのクラスが普及したら、もっと多くの若いセイラ―が外洋レースの世界に入ってくるのかな、とも思います。

2時間ほど上ったところで、バウダウン。待望のジェネカーを揚げます。軽風ではあるものの、大きいジェネカーはしっかり風を掴み、船を滑らせていきます。慣れないジェネカージャイブというものに苦戦しつつ、しかしこの風であれば多少セイルを潰そうがシートの引き込みが遅れようが船が止まろうが深刻な事態には陥りようもなく、ジャイブを繰り返しながらジェネカーと思う存分戯れることが出来ました。もう少し吹いていたら、ここまでどんどんジャイブしよう、という気にはならなかったかもしれません。このコンディションと出航時の代表の言葉に改めて感謝。マスト前に陣取って何やら撮影しだした代表からは相変わらず的確なアドバイスがタイミングよく飛んできます。

ジェネカーラン

ジェネカーラン

伊藤望氏とジャイブ練習

伊藤望氏とジャイブ練習

午後になっても風が吹きあがることもなく、曇り空の切れ間から日差しものぞき、気温も徐々に上昇してくる中、13時50分無事にハーバー帰着。充実した練習後の満ち足りた気分で解装しつつ、今後の整備項目を整理し、半年ぶりの出航にも機嫌よく帆走ってくれた貴帆miniちゃんのデッキを真水で洗い流します。最後に、平日の人気のないクラブハウスに戻って今後の活動の方向性について濃い内容のミーティングをして、解散となりました。

帰着後の水洗い

帰着後の水洗い

今回の練習を通じて、改めてこの船の良さを認識し、この船との距離を縮められた気がします。mini6.5には、外洋キールボートの操船に必要なことが詰まっています。この船を手懐け、外洋レースに出たいという気持ちが強まりました。「強風のダウンウインドなら、フルクルーの40ftにも負けないよ。」という代表の言葉が蘇ります。

ご多忙の時間を縫って、機会を作ってくださった北田代表にあらためて感謝します。次回は「強風下のダウンウインドをでかいジェネカーを張ってかっ飛ぶ。」または、「mini6.5で保田のばんやの海鮮丼を食べに行く。」をテーマに第2弾・第3弾を企画したいと思います。

高頭 正史:千葉県出身。JORA国内活動セーラーとして現在トレーニング中

詳細はこちら→ Sailors 高頭 正史

JORAの国内会員としてmini6.5でのトレーニングを「JORA虎の穴」としてシリーズでお届けしていきます。

2020-04-02 | JORA BLOG

幸希と愛の200マイルトライアルレポート

こんにちは。JORA海外会員としてトレーニングに励んでいる松苗幸希さんと吉富愛さんが、3月某日200マイルトライアルを成功させました。お二人のレポートと動画をお楽しみください。

*この200マイルトライアルはコロナウイルス(COVID-19)による移動自粛要請前に行われています。

 

【松苗幸希レポート】

今回は200マイル無寄港セーリングを体験させて頂きました。
200マイルという距離はヨットで走るとおおよそ丸2日間くらい走る距離であり、夕方4時ごろに出港して2回夜を超えるといういわゆる2オーバーナイトというセーリング は初めての経験です。
メンバーはオーシャンセーラーの北田さん、大学生にして一人で本州1周の経験を持つ吉富愛さん、そしてオフショア数回経験ありの私の3名。
今回はJORAの森村副代表所有艇で大阪北港にあるデへラー(DHL38)という艇を使わせて頂きました。
もしも海が荒れたら…とかなりの不安がありましたが、とてもいい艇だと聞いていたことを頼りに安心材料としました。

当日は関東から朝一で西宮に移動し、昼前に準備を進めてもらっていた皆さんと合流、念のため2日半くらいの食料の買い出してそのまま出発という素人的にはタイトと感じられるスケジュールで出港しました。
私の今回の一番の目標はナイトセーリング をまずは知るということでした。
過去の経験で真っ暗闇の中でヘルムを取るということがいかに難しいかを知っていたからです。
また、1オーバーナイトは今までに2回ほど経験させて頂いたことがありましたが、”ワッチを組む”という作業が初めてだったので短時間睡眠で自分の身体がどれだけ持つのかということにも興味がありました。

今回のトレーニングは基本的に女子2人で全てやり、北田さんは何かあった時の補助であるという方針でした。 初めて一緒のヨットに吉富さんとオフショアド素人の私のチームはどんな珍道中になるかと思いましたが、吉富さんがセールのリーフも計器の使い方もテキパキこなしてくれたので外洋ヨット部って流石だな、1人で本州1周しただけあるなとすぐに感じることが出来、一緒に乗れることにワクワクしました。
夕方前の出港だったので、割とすぐに夜を迎えることになり、さっそく夜の緊張モードに気持ちを切り替えます。
完全に暗くなる前から風が少しずつ強くなり始め、目的地に対して上りのレグであったことから艇のヒールとこのピッチングと共に夜を迎えるのだろうということが想像できました。
まずは吉富さんとワッチの時間配分をどうするか話し合いました。多くの人はだいたい2〜3時間おきに交代するということを聞いていましたが、まずは1時間から試して、明日の夜は2時間にするという取り決めになりました。
20時を越えるととにかく暖まりたいという気持ちしか生まれない状況になってきました。寒い、揺れる、眠いのトリプルパンチの中、初めてヨットの帆走中に睡眠を取るというワッチオフを経験することとなりました。3月中旬の関西はそこまで寒くならないだろうという考えは全くもって甘く、想像を遥かに超える寒さとなり、ワッチオフの順番が来るとすぐにトイレを済ませ、カッパを着たまま震えながらベッドに倒れ込みオフショアやってみたいと思った自分バカー!と思いながら目を瞑りました。 しかし、1時間交代なのですぐにワッチの順番が回ってきます。やっとの思いで目を瞑る体制になったのに起きて時計を見ると1時間しか進んでない…これを夜の間6交代もするのは気持ちが持たない‼︎と思いこれは絶対正解じゃないということがわかりました。 2時間交代に切り替えてみたところ、こちらは正解。もしかしたら3時間でもいいかもしれません。
少し気持ちも楽になってくると、1人で他の船舶にぶつからないか、自船は目的地から逸れていないかと監視する緊張感を感じられるようになり、普段味わえないスリル楽しみながら過ごすことが出来ました。

朝を迎え、気象状況はかなり穏やかになり、気温もカッパを全て脱ぐくらいまで上昇し、夜に比べると本当に天国でした。
昨晩の寒さと揺れでかなり疲れたのか日中のポカポカ陽気では居眠り(というか爆睡)を多くしてしまいました。
GPSを見てみると昼ごろにどうやら目的地の徳島沖に到達したみたいでしたが、ワッチオフや居眠りでいつのまにか周りに陸地が全く見えない場所まで来ていたので、自分の位置の把握もとても難しいなと感じました。
しかも、折り返し地点、やっとジェネカーランで帰れると思ったら風向きが真逆に変わり、またもや上りとなってしまい、走りとしては少し物足りなさが残りました。

天気も良く、船の揺れもない。環境が良くなってくるとだんだんお腹が空いてきます。
噂で聞いていた通り、洋上でのごはんは普段は食べないカップラーメンもただ焼いただけのウインナーもめちゃくちゃ美味しく感じることが出来、洋上の醍醐味です。
おやつも進みます。
私達3人全員が納得したふんわりきな粉名人。

ふんわり名人きなこ餅

ふんわり名人きなこ餅

のんびりと船を進め、2日目の夜が近づいてきました。
夕方近く陸地に大分近づいて来たところでいい風が入り、今回試したかった計器を使って帆走することと、今までディンギーで感じていた感覚を数値で見ることが出来ました。
この感覚を数値化するという作業は、いつかやってみたいな、これがわかればどんなヨットでも早く走らせられるのではないかという考えのもと試すことが出来たのは自分にとってとても良い収穫でした。
そして最後の最後には計器の数値と感覚を合わせてこの感じかな?と思えるコツを掴んだ気がしたのですが、後にわかったことですが計器は海に出て最初に細かい設定をしないと正確に使いこなすことが出来ないらしいのです。
非常に奥が深すぎる世界でありますが、だからこそ勉強しがいのあるジャンルだなということを感じました。
その後無事に朝4時に到着し、早朝にも関わらず使用させて頂いた艇のクルーの富田さんがお迎えに来てくださりました。それから一眠りさせて頂いている間に森村オーナーさんや135イーストの蔵田さん、計器の調整の太田さんなどが集まっており沢山の方が支えてくださっていたことがわかりました。

計器の設定の仕方なども教えて頂き、とても貴重な知識を教えて頂くことが出来ました。
ご指導、ご協力頂きありがとうございました。また機会があれば、今回勉強できなかった気象の理解を深め、思った通りに天気がやってくるようになることがこれからの目標です。

【吉富愛レポート】

2オーバーナイトの200マイル無寄港練習を行った。私にとって無寄港長距離での最長であった。

出航後は安定して南から6〜9ktの風が吹いており、ジブでタックを行いながら友ヶ島水道を目指す。その中ではオートパイロットの感度の調整や、モードチェンジなどを行い、航海計器の使い方を研究しながらのセーリングを行った。

夜の航海では松苗さんと二人で一時間ごとのワッチを組み行う。しかし、一時間では疲れが取れず、深夜に二時間ごとのワッチに切り替えた。夜の航海では注意点がいくつかあった。暗い中で作業を行うため、暗くなる前の準備が大事になる。また友ヶ島水道での航海では、大型船や漁船との灯火による自船との見合い関係が難しいとワッチの際に感じた。

慣れないオーバーナイトがあけ、日中は風がないセーリングになった。休憩できる時に休憩するということで風が弱い日中を使い、しっかり休憩をとり2日目の夜に備えた。2日目は夕方ごろから風が吹いてきた。そこからは昼に休憩したことにより、夜のセーリング練習もしっかり取り組むことができた。どこで休憩を取るかが大事であると思った。この時は一度だけ二時間ワッチを組み、それ以外は最後まで二人でのセーリングの練習を行った。その中で航海計器を見ながらクローズホールドに持っていくなど実験を行い船を知るにはいい勉強になった。

この船は今回の練習が初めてであったため、ものの使い方や航海計器の使い方をしっかり知ることができる良い機会になった。また、初めての長距離であったため自身の体調管理、体力温存方法、船での過ごし方を知る機会になった。

自身の次の課題も見えた。今回の経験をプラスに今後はより体力をつけどんな時間帯でも動けるように調整をしていきたい。また継続してセーリングに集中できるための体力が必要に感じた。今回は風向き的にジェネカーはあげなかったため次回の練習ではダウンウィンドの練習をしっかり行いたい。

幸希と愛の200マイルトライアル

幸希と愛の200マイルトライアル

松苗幸希:北海道札幌市出身。49erFXでの活動を中心として、 国体、 キールボート(クルーザ一)でマッチレ一スや外洋レ一ス、北海道、関東の中高大学生のコ ーチングも行う。

詳細はこちら→ Sailors 松苗幸希

 

吉富 愛:大阪府出身。神戸大学在学中。フランスマルセイユで行われた世界選手権での経験から、2019年神戸大学在学中にニュージャパンヨットのSOLEIL LEVANT(26フィート)に乗りシングルハンドで本州一周を達成させた。

詳細はこちら→ Sailors 吉富愛

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